田坂さんのメールマガジンで以下のような記事があったようです。ニーズ石井君のブログより転載。深い。。。



「謙虚さ」の本質



 誰でも知っている諺でありながら、
 長い歳月を歩んだ後、
 その深い意味を知る言葉があります。


 実るほど、頭を垂れる稲穂かな。


 若き日に、この言葉の意味は、
 素朴な人生訓であると思っていました。

 人間は、学問と教養を身につけ、
 社会での地位が高くなるほど、
 謙虚にならなければならない。

 そのことを意味した人生訓であると
 思っていました。

 しかし、数多くの歳月を重ね、
 人の心の世界の機微を学ぶにつれ、
 一つの真実に気がつきます。


 人間は、
 謙虚になろうと思って、
 謙虚になることはできない。


 その真実に、気がつくのです。

 そして、そのとき、
 人間学の世界で語られる一つの言葉が、
 重い響きを持って、聞こえてきます。


 自分に自信の無い人間は、
 他者に謙虚になることはできない。


 「謙虚さ」とは、
 自分の中に静かな自信が実ったとき、
 自然に現れてくる資質なのでしょう。



 2005年3月28日
 田坂広志