今日・投開票を迎える衆議院議員の総選挙。各政党からは公約やマニフェストが出されていますので、中小企業振興、という観点でチェックをしてみたいと思います。主たる争点とはなっておらず、中小企業振興、という切り口でのまとめ記事もあまりないようなので。
台風も接近し、各地天候も荒れ気味だと思いますが、ぜひご参考にしていただきつつ投票所に足を運んでみてください。

なお、中小企業・地域経済振興といっても、技術開発や大企業向けの支援、消費税や法人税など税制や教育に至るまで当然関連してきます…とは言え福祉政策や新幹線などインフラ整備なども厳密に全部のせてると全然比較にならないのでw、直接的に中小企業振興政策について言及されている部分に主に注目していきますね。また、各党の政策集PDFからのコピペで、変なスペースなどがはいったままの部分もあります。気になるところは多少修正したりもしましたが、見づらいのはご容赦ください。
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<結論>
やはり政権与党と、野党との間には記載されている政策の具体度が随分とちがうことがわかります。以下の通り各政党の中小企業振興策に関連する部分をコピペしましたが、自民党・公明党が圧倒的にボリュームが多いのです。政権を担い、実際に運営する側とそうでない側では、具体度が異なるのは当然…とはいえ、具体策がしめされていないのは不安感を生むかもしれません。
また、マニフェスト全体にしめる中小企業振興策の割合も大きく異る印象です。例えば、立憲民主党の政策パンフレットには中小企業振興施策については記載がなく、共産党・社民党も憲法改正や安全保障といった問題により多くをさかれています。ただ、社民党が地域再投資法や中小企業向けの法人税の引き下げなどを明記していたののはオリジナリティあるように目が引かれました。

全体としてみると、「生産性の向上」や「働き方改革」「女性の活躍」といった取り組みが多く記載されている印象を受けました。

▼自由民主党

1.経済再生
<生産性革命>
・「起業大国」を目指し、産学官及び金融機関の連携による中長 期の成長資金の供給拡大を含め、産業の新陳代謝と「ユニ コーン・ベンチャー」創出に向けた取り組みを加速します。
・中小企業・小規模事業者の円滑な世代交代・事業承継に資 するよう、税制を含め徹底した支援を講じます。
<女性活躍>
・女性の新しいキャリア・ステージの形である起業を支援し ます。女性起業家向けの情報発信、資金調達への支援、 ロールモデルの充実、両立支援のための取組など、女性の 起業ステージに応じた伴走型の支援を実現します。
・これまで女性の活躍が少なかった自動車関連や建設業分 野において、女性も働きやすい職場環境の整備や業務の 魅力発信等を行い、就業者数の大幅増を目指します。
<経済再生>
・未だアベノミクスの恩恵を十分に実感できていない地方の 隅々まで暖かい風 を 届 け る べ く 、ロ ー カ ル ・ アベノミクス を力強く推進します。 成長の果実を、大企業から中小企業・小規模事業者まで行 き渡らせるため、適正なコスト転嫁を図るなどの環境整備 を進めます。
・起業者が活動しやすいビジネス環境を整備するため、会社 の設立登記手続の迅速化を図ります。
・地域経済におけるバリューチェーンの中心的な担い手であ る「地域未来牽引企業」とその取引群に対し、あらゆる支援 を 重 点 投 入 す る (全国2000社程度) な ど 、「地域への未来投資」を 拡 大 し 、今 後 3 年 程 度 で 投 資 拡 大 1 兆 円 、G D P 5 兆 円の押上げを目指します。
2.地方創生・農林水産・中小企業
<地方創生>
・「地 域 経 済 牽 引 事 業 」の 推 進 、地 元 特 産 品 の 開 発 ・ 販 路 拡 大 へ の 支 援 、観 光 客 を 呼び込む観光地域づくり等によるローカル・アベノミクスの実 現 、生涯活躍のまちの推進、 地域 住 民等が良好な環境の形成や地域の魅力向上に取り組むエ リアマネジメントを含む自立するまちづくりの推進等を更に進めます。
・地域経済を支える建設業・運輸業・造船業等の経営基盤の 強化とともに、それを支える人材の確保・育成を推進します。
・全世代型社会保障の推進、地方創生や地域の実情を踏ま えたきめ細かな単独事業の実施などに対応するため、地方 一 般 財 源 を 安 定 的 に 確 保 す る と と も に 、引 き 続 き 地 方 分 権 の推進を図ります。
・自治体と大学が連携し、地域経済の活性化に資するローカ ル ・ イ ノ ベ ー シ ョ ン を 推 進 し 、中 小 企 業 ・ 商 店 街 振 興 、産 品 の販路拡大等を通じて、地域の事業者の収益と住民の所得 の向上を図ります。
・地方への移住や、地域との多様なつながりの創出、首都圏 大 学 の 地 方 サ テ ラ イ ト キ ャ ン パ ス の 設 置 、農 山 漁 村 で の 体 験型交流を促進します。企業誘致と併せて雇用力のある地 域密着型企業の立ち上げを支援し、都会から地方へのしご との流れを作ります。 人口が急減し、農林水産業、商工業等の地場産業の担い手 が消滅しつつある地域について、ワークシェアリングの手法 を活用しつつ、社会保険にも加入し、地域の担い手を確保す る事業体を応援する枠組みについての検討を進めます。
<中小企業>
・地域経済の主役である中小企業・小規模事業者が直面す る 、人 手 不 足 、マ ー ケ ッ ト 縮 小 な ど の 課 題 に 対 し 、起 業 の 活 性化、地域の強みや魅力を活かした商品開発や海外展開 を 含 め た 販 路 開 拓 、人 材 育 成 、人 材 投 資 の 推 進 、I C T ・ I o T 導入支援の強化など生産性向上の取組みなどを通じ、中小 企業・小規模事業者の成長、発展を促進します。とりわけ小 規 模 事 業 者 に は 手 厚 い 支 援 を 行 い ま す 。ま た 地 域 コ ミ ュ ニ ティを支える商店街の自立を積極的に支援します。
・支援機関によるサポート制度や固定資産税の軽減措置等 を活用することにより、中小企業・小規模事業者の設備投 資を促進します。手続きに関しても引き続き簡素化に取り 組みます。
・中小企業・小規模事業者の収益力の向上と地域に根付い た価値ある事業の次世代への承継のため、承継の準備段 階から承継後まで切れ目のない支援を集中的に推進しま す。その際、事業承継税制の様々な要件を拡充するなど、 税 制 を 含 め た 徹 底 し た 支 援 を 講 ず る と と も に 、M & A を 通 じ た事業承継の支援を進めてまいります。
・働き方改革で求められる対応や必要性について、中小企 業 ・ 小 規 模 事 業 者 に 対 す る 周 知 徹 底 を 図 る と と も に 、都 道 府 県 や 商 工 会 ・ 商 工 会 議 所 が 連 携 し 、働 き 方 改 革 に 取 り 組 む中小企業・小規模事業者に対するよりきめ細やかな充実 した支援を行います。
・地域の支援機関や専門家、よろず支援拠点などを通じて 「ものづくり・商業・サービス補 助金 」 、「 小 規 模 事 業 者 持 続 化補助金」などの施策を地域の隅々まで行き渡らせるとと も に 、商 工 会 ・ 商 工 会 議 所 へ の「 伴 走 型 補 助 金 」な ど を 通 じて中小企業・小規模事業者へのきめ細かな支援を行い、ローカル・アベノミクスの実現を図ります。
・下請取引のあり方を改善し下請企業の適正な収益を確保 するため、主要業界で策定された自主行動計画の実行を求 め て い く と と も に 、策 定 業 種 の 拡 大 を 図 り ま す 。ま た 、独 占 禁止法や下請代金法の運用の徹底・強化を図ることにより 不当行為の取締りを進めます。
・金 融 機 関 が 、 中 小 企 業 ・ 小 規 模 事 業 者 に 寄 り 添 い 、「 ひ と 手 間 か け て 育 て る 」金 融 の 機 能 を 十 分 に 発 揮 す る こ と が 重 要 であるため、借り手側からの意見も聞きながら、経営者保証 に 依 存 し な い 資 金 繰 り の 徹 底 を 図 る と と も に 、信 用 保 証 制 度の見直しなどを進めます


▼公明党

(2)長時間労働の是正・同一労働同一賃金など、働き方改革の実現
●中小企業・小規模事業者の働き方改革 を支援するため、労働時間の短縮や勤務 間インターバル制度導入への助成金を大 幅に拡充します。また、最低賃金を持続的 に引き上げるため、中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、業務改善助成 金等を大幅に拡充します。
(3)成長戦略で日本を元気に
●わが国の町工場が持つ世界トップレベ ルの技術力が支える航空・宇宙や海洋等 の研究開発を推進し、中小企業・小規模事 業者の力を最大限引き出します。
(5) 中小企業を強力にバックアップ
●下請け等の取引条件の改善について、 継続的にフォローアップ調査を行うとと もに、適正取引とするための「下請ガイド ライン」や価格交渉の際に中小企業・小規 模事業者が活用しやすいパンフレット等 について周知徹底するなど実効性の向上 を図ります。特に、荷主や発注者からの影 響をより強く受ける自動車運送業や建設 業における取り組みを強化します。また、 下請取引に関する「自主行動計画」や「業 種別ガイドライン」の策定業種の拡大や 内容の充実に取り組みます。
●海外展開をめざす中小企業・小規模事 業者を支援するため、「新輸出大国コンソ ーシアム(官民連携組織)」を機能させ、 海外ビジネスに精通した専門家による総 合的かつきめ細やかな支援体制を構築し ます。
●地域の活力を支える中小企業が魅力を 発揮し、次世代へしっかりと事業承継で きるよう、必要な支援策を講じます。
●中小企業・小規模事業者等の経営力強 化を図るため、「よろず支援拠点」や「事業 引継ぎ支援センター」の相談体制を強化 します。また、専門的な知識を持った相談 員の派遣等を通じた経営力向上計画の作 成や省エネ投資等の支援を行うとともに、 企業の「稼ぐ力」の強化に取り組みます。
●中小企業・小規模事業者が地域の中核 企業となるよう、M&A によるマッチング 強化、設備投資の補助の拡大などで事業 再編を促進します。

●中小企業等の生産性向上のため、IoT、ビッグデータ、AI 導入を支援します。ま た、ムリ(設備や人への過負担)・ムダ(原 価を高める要素)・ムラ(仕事量・負荷のバ ラつき)の削減を行い、付加価値の高いサ ービスや効率的な業務の運営が行えるよ う、ICT 専門家派遣による ICT 投資や ICT 人材育成などの支援を強化します。
●女性・高齢者の活躍を後押しするため、リカレント教育や、シニア向けの企業説 輸出促進等に向け、その導入、取得のための取 明会等を充実し、誰もが働きやすい環境を整備するとともに、女性・高齢者の人材 育成とスキル向上を進めます。


▼希望の党

3.中小企業に希望を ~人手不足と公的負担に苦しむ中小企業を徹底支援~
• 中小企業は雇用を通じて地域社会に大きな貢献をしている。正社員雇用を増やした中小企業の社会保険 料負担を免除する「正社員化促進法」を制定し、正社員で働ける社会を目指す。
• 若者を苦しめるブラック企業について、残業、休暇、給与などに関する要件を明確化し、該当企業の 名前を公表することにより、「ブラック企業ゼロ」を目指す。
• 地域社会の持続性を確保し、中小企業の人手不足を解消するため、国と職種を限定して外国人労働者の 受入れを拡大する。
• 金融機関に対し「経営者保証に関するガイドライン」の徹底を図ることにより、一定の要件を満たせば 経営者などに個人保証を極力求めず、保証債務履行時に保証人に一定の資産を残すことを認めていく。


▼維新の会
(5)中小企業対策
●中小零細企業が、親会社を含めた大企業との取引で契約通りの支払い等を受けられるようにする。 地方における「下請けいじめ」等を防止するため、独占禁止法の優越的地位の濫用禁止規定や、 下請け代金支払遅延等防止法を、厳格に運用する。
●中小零細企業に対する交際費課税を軽減する。
●災害復興時に地元の中小零細建設業の利活用が必要なことから、国の出先機関の発注する公共工事では、 当該地域の中小零細企業の受注割合は5割程度を目途とする。


▼立憲民主党

特に記載なし

▼日本共産党
4地域経済の再生─ 大都市と地方、大 企業と中小企業の格差を是正します
日本経済の根幹である中小企業を応援します
中小企業基本法が 1999 年に改悪され、まが りなりにも掲げていた中小企業と大企業の「格差 是正」が投げ捨てられました。「市場まかせで生き残れば経済は強くなる」という政策のもとで中小企業の淘汰がすすみ、423 万あった小規模事 業所は、4 分の 1 が減りました。賃金は、中規 模事業所(従業員 30 人~ 99 人)で大企業の 6 割、小規模事業所(同 5 人~ 29 人)では 5 割 という大きな格差があります(製造業、常用)。
─ 中小企業を日本経済の根幹にふさわしく振興 します。大企業と中小企業との公正な取引のルー ルを確立し、中小企業で働く人の賃金格差を是正 します。
─ 「選別と淘汰」でなく、中小企業全体を視野 に入れた振興・支援策に転換し、国の中小企業予 算を 1 兆円に増額します。


▼社民党
▶中小企業は経済を牽引する力、社会の主役
○「中小企業憲章」を国会で決議します。中小企業支援策を増額し、中小企業を底上げする政策へと 転換します。
○中小企業への課税強化に反対し、中小企業の法人税率(租税特別措置により15%に軽減)を恒久的 に11%に引き下げます。円滑な事業承継のために、事業承継税制を拡充します。
○日本版「地域再投資法」を制定します。


▼日本のこころ
五.我が党は、経済の成長戦略を推進し、個人所得の向上を図り、豊かな社会を実現すること及び社会基盤(インフラ)の強化を徹底して推進することを目指す。
(3)異次元の財政政策を出動し、個人消費の拡大による経済活性化を図る。
(4)投資効果の高い公共事業の拡大を図り、老朽化した社会資本の更新・ 高度化を図ることにより、経済の活性化・効率化を目指す。
(5)1人当たりの生産性の向上を図る。
(6)経済成長を阻害してきた岩盤規制を打破するとともに、不必要な諸手続 等の簡素合理化を図る。


台風も接近し、各地天候も荒れ気味だと思いますが、ぜひご参考にしていただきつつ投票所に足を運んでみてください。

秋元祥治
NPO法人G-net理事(創業者)・OKa-Bizセンター長

ではでは。

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