年末年始と言うと、親族と集まったり、友人と集まったりとお話をする機会が多いわけです。そんな中で 酔っ払った知り合いとの会話で気づいたお話し。 愛知県の大企業と言えば、やはり自動車産業なわけですよ。そのティアワン(自動車メーカーに直接商品を納品してる会社のことね…たとえば、デンソー、豊田自動織機、アイシン精機、ジェイテクト 、トヨタ紡織…って感じですね) に勤める同世代の男性と話していたときのことでした。

あなたたち普段さ、中小企業とか相談のってるんでしょ。
そのさ シタ のひとたちは、どうなわけ?
その シタ の人たちに、なんかできることあるの?


て、絡まれたわけです(かなり酔っていたわけですけど、ね彼は)
他にもヒトが複数いる席だから、あまりことを荒立ててはいけないと思いつつも、まぁ私、ハラワタが煮えくり返るといいますか、瞬間的に湯沸かし器になりましたねwww
そんな状況なので、正確に彼が言った言葉のひとつひとつが覚えていないのですが、日々地域の中小事業者の方々の経営相談を受けてきた8年間を経て、この言葉は僕には全く許すことができなかったわけです。 小さいからと言ってバカにするな!という怒り。
一緒に仕事を取り組んでくれている協力会社に対しての、リスペクトが全く足りないと思ったわけです。
とりあえず、そのままそこにいてはヤバいと思いまして(苦笑)とりあえずトイレに立って気持ちを落ち着けたんですが。
おしっこなんでなにも出ないんですが、トイレのなかで

組織の看板に守られて、
自分じゃリスクとってチャレンジできない大企業の歯車のクセに


と言ってやりたい気持ちがわーっと心のなかで湧き上がって、でも、なんかそれを口に出してはいけないような気がして、ま、飲み込んで集まりを中座して家に帰ったわけです。

その後、 お風呂に入りながら自分の中に沸き上がった感情をじっくりと振り返ってみました。

やはり、協力会社を見下げるような態度で「シタ」と呼ぶことは許せない。なぜかというと、そこにリスペクトがないからだし、実際オカビズの相談現場で、大手の発注企業の下請けいじめのような事例もいくつも見てきたこともあるんで。
そしてきっと彼の発言の奥底にあるのは、きっと自分自身にたいする自信のなさではないか。自分より シタ を作ることによって、自身のアイデンティティというか虚栄心を満たしているのではないか、と思うのです。他者との相対化によって、自分を位置づけている、というか。

ただ落ち着いて、自分の心の中に浮かんできた「大企業の歯車のくせに」というややもすると見下げたような感情にも違和感があって。正直、こういう感情を以前ははっきりと持ってました、ぼく、恥ずかしながら。そのことを思い出しました。そして当時、結局、あんまり知らなかったんだともいます、大企業で働く一人ひとりを。
ここのところ、複数の大企業の社員研修をお手伝いをさせていただきました。そして、実際に大企業で働くお一人お一人とやり取りをさせていただく中で、「大企業の歯車のくせに」という感覚は勝手な思い込みでしかなくて、それぞれがぞれぞれの持ち場の中で、懸命に使命感をもって仕事しているのだと。人には、きっとそれぞれの役割があるんだと思います。

そして、翌日も、ずっと考えていたんですけれど、僕の心の中に浮かんだ、協力会社を「シタ」と呼ぶ大企業社員にキレた気持ちも、彼に対して、大企業の歯車のクセにと心に浮かんだ気持ち、も根っこは同じでは無いだろうか?と言うことに気づいたのです。

それは、相手に対するリスペクトが足りないと言うこと。

協力会社を「シタ」と呼ぶ大企業社員にキレたこと、
替わりのいる組織の歯車のクセにという気持ちが同じだ


と気づいたわけです。そして、自身のなかの不遜な姿勢を反省しました。
つまり

相手に対してのリスペクトが大事なんだ、
そして、相手のことを知るということが大事なのだ。


ということ。きっと、協力会社を「シタ」と呼んだカレは、「シタ」とよんだ中小企業の現場や一人ひとりを知らないに違いない。

そして自分自身を振り返り、20年前にG-netを始めたことや8年前からオカビスを通じて「小さなものを シタ に見る」ということへの怒りを感じられる感覚を得ることができたんだと思いました。
そして、この気づきへの感謝が浮かんできたわけです。

きっと僕は、大学を卒業して大企業にいくか、ベンチャーとかIPO目指しますー!とか、ってキャリアだったら今「小さなものを シタ にみてる」のかもしれない。
だからこそG-netやオカビズでの日々を通じて、気づきをえたり、自身が成長できたことへの感謝もまた、浮かんできたのでした。

カレもいた宴席から、自分が大事にしている価値観を言葉にする機会を得た話。そして、ぐっと自分の感情を立ち止まって見て、観察したり振り返ったりすることで気づきや学びが得られたと言う話でした。

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秋元 祥治

▼岡崎ビジネスサポートセンター・オカビズ チーフコーディネーター
 @愛知県岡崎市 https://www.oka-biz.net
▼NPO法人G-net 理事(創業者)
 @岐阜県岐阜市 https://www.gifist.net
▼武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(EMC) 客員教授
 @東京都西東京市 https://emc.musashino-u.ac.jp
  早稲田大社会連携研究所招聘研究員
  慶應義塾大学SFC研究所所員
  内閣府 地域活性化伝道師
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著作「20代に伝えたい50のこと」(ダイヤモンド社) http://amzn.asia/1AE0eGY
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