秋元祥治ブログ【公式】オカビズ/武蔵野大EMC/やろまい
http://akimotoshoji.blog.jp/
「思いを言葉にし、言葉を行動に変えていく」起業家的なヒトを増やしたい。武蔵野大学アントレプレナーシップ学部教授(EMC)、岡崎ビジネスサポートセンター(オカビズ)、G-net理事(創業者)、内閣府地域活性化伝道師。人材育成・地場産業/中小企業支援・社会起業・まちづくり・地域活性化・地方創生・大学教育や人材育成についてを語るblogです。
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こだわりの「旨いクラフトビール×SDGs」を飲んで・読んで楽しむサステナ・ブリュー ビールセットが誕生
http://akimotoshoji.blog.jp/archives/51603558.html
国内クラフトビールの人気が年々高まっています。当初はバーなどで提供されていることが多かったようですが、コロナ禍でおうち時間を楽しむ「家飲み」ニーズによってさまざまな飲料が注目されたことも関係していると言われています。今では旅先で楽しんだり、セレクトショッ...
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2024-03-01T11:22:35+09:00
マーケティングとか
キリンビールの調査では、「家飲み」需要の高まりも相まって、2021年1~9月の日本のクラフトビールの販売量は、前年同期に比べて約200%と大きく伸長したとのこと。実際コンビニの店頭でも、よなよなエールやスプリングバレーブルワリーの商品などを目にすることも一般的になってきました。
本年度、中野区役所・中野区商店街連合組合さんから依頼を受け、中野区内のいくつかの中小企業の方々とご意見交換をさせていただきました。そこで出会ったのが、クラフトビール専門店「かね市すず幸」さん(東京都中野区沼袋1丁目19-11)。ビール愛の語りが止まらない店主・鈴木さんとのご意見交換から新商品「サステナ・ブリュー ビールセット」が誕生しました。
「そこ、すごいポイントですよ」自分では気づけない強みを明確化
かね市すず幸さん、開業は2022年。それまで長年スーパーマーケットで勤務され、スーパーでもクラフトビールの売り場づくりを先導してきたという経歴の持ち主。そして、退職を機にクラフトビール専門店を立ち上げた根っからのクラフトビール好きです。
店舗には常時国内100銘柄ほどが所狭しとそろっています。各地のイベントにも参加して試飲を重ね、「本当においしいものを提供したい」と、たくさんのクラフトビールの中から厳選したラインナップなんだそう。実際にブルワリーまで足運んで製造の現場を見たり、つくり手と直接お話をしながら気に入ったものを仕入れてくるようにしてるんだそうです。
だからお客さんがやってくると、希望や味の好みなどを聞いてピッタリのものを選定し、そしてそのクラフトビールのうんちくを解説してお勧めしてくれるんです。
近隣の酒屋さんの中でも、これほどクラフトビールにこだわった品ぞろえの店はない。実際遠く離れたところからすず幸さんじゃなきゃ、と買いに来てくれるお客さんもいるほど。本人曰く、都内でも10本の指に入るほどのマニアックさ(?!)なのに、しかし開業から日が浅く、とにかく知名度が低く売上をいかに上げていくかが課題、とのことでした。
マニアックともいえる豊富なラインナップに、とことんクラフトビールが好きで話し出すと止まらない愛嬌ある店主のおすすめ力は他店にない強みになります。ご本人は好きを突き詰めて始めたお店で当たり前のように商品を増やし、お客様にあわせたクラフトビールを提案していたのですが、そこをちゃんと見える化し発信し、店の魅力を伝えていく必要があるとお話ししました。
今ある素材から、目玉商品を生み出す工夫
まずは店内の商品を再度見回してみると、クラフトビールには小規模醸造所だからできるそれぞれの特徴があることがわかります。産地の特産を使ったり、希少な原料を使ったり。中でも増えてきているのが、地域や地球の持続可能性を考えた商品です。
各地に根付いているからこそ、地域の環境や未来に想いを馳せ、それぞれのブルワリーのオーナー想い商品が込められてるものがいっぱいあるんですね。クラフトビールには、そうした想いも込められていることに気が付きました。
そこで鈴木さんと相談し、SDGsな商品をまとめたセット販売をきっかけに、お店の品ぞろえを知ってもらうきっかけにしようと作戦を立てました。クラフトビールの愛好家には、社会性や作り手へのこだわりへの共感を大事にしている方もおおいだろうと考えてのことでした。鈴木さんのビール情報から、あれもいける、これもいけると続々と出てきます。
こうしてテーマを区切って提案することで、クラフトビール×●●という新しいターゲットに届くようになる可能性が誕生します。
飲んで学べるSDGs「サステナ・ブリュー ビールセット」提供を開始
サステナ・ブリュービールセットは、SDGsに配慮したクラフトビールを鈴木さんがセレクトしたもので、季節によりセット内容は変わります。現在は第一弾商品として3本セット2種類が販売開始しています。
一つは、サンクトガーレンブリュワリーという神奈川県の醸造所の商品から、規格外等のりんご、なしを使ったフルーティーなクラフトビールなどのセットです。
もう一つは、宇都宮ろまんちっくブルワリー(栃木県)からの3本セット。こちらはワイン造りに使われる果汁を絞ったあとの果皮や種を使ったり、廃棄されるパン耳を原料の一部にしている商品が含まれています。
今後、再生可能エネルギーので醸造されたビールや、未利用作物を原料として使用したものなども取り扱いをしていきたいとのことでした。
そしてこのセットには、セット内容のクラフトビ―ルがどんなSDGs商品なのか、背景を知ってもらうためのフリーマガジンを付属。こちらも鈴木さんがカスタマイズしてまとめているものです。
今や「SDGs」や環境配慮型商品など、地球環境への配慮もZ世代や若者を中心に、消費行動の一つの指針にもなってきています。どうせ買うなら地球によいものを買いたいというニーズをとらえて、飲んでおいしいだけでなく、持続可能性に貢献でき、読みながら背景を知ることができる商品です。
インパクトスタートアップ初のIPO(株式公開)として株式公開をし、ポケットマルシェを運営する株式会社雨風太陽が話題を集めました。雨風太陽のいわば祖業が「東北食べる通信」という東北の産直の農産/海産物と、情報紙をセットにした定期通販でした。すず幸さんはまさに、ビール版の「東北食べる通信」とも言える取り組みで注目を集めています。
お金をかけることはなくても、今まず自社にあるものに注目し、新たなターゲットや利用シーンと掛け合わせていくことで顧客を創造していくことができる、という事例でした。
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珠洲市在住の経営者が二次避難マッチング、まちづくり会社が避難所のニーズ調査…民間が取り組む被災支援のスピード感
http://akimotoshoji.blog.jp/archives/51602540.html
令和6年能登半島地震が発災から、はや1週間を経過しました。連日テレビや新聞などメディアを通じて明らかになる被害状況を目にする度に心落ち着かない、新年を迎えた気持ちになれない…という方も多いのではないでしょうか。
国や石川県など行政機関や、警察・消防・自衛隊な...
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2024-01-09T13:39:54+09:00
雑感
国や石川県など行政機関や、警察・消防・自衛隊など総動員で救助・復旧にあたるお取り組みにはただただ頭の下がります。
こうした中、民間でも自発的な取り組みがいくつも生まれています。
▼東日本大震災での経験を活かした災害支援のネットワーク
七尾市を拠点にするまちづくり会社・御祓川(森山奈美 代表取締役)を中心に、珠洲市や輪島市、能登町など能登半島の各地でまちづくりに取り組んでいた民間キーパーソンが発災翌日からネットワークを構築。毎晩オンライン会議をしながら情報共有や作戦会議を行い、行政とも連携し迅速な取り組みを始めています。
孤立集落の情報収集や、各避難所ごとのニーズの把握。さらには私設避難所の情報収集や一覧化など、職員も被災者で出勤できる人数も限られ思うに任せない自治体が手の届かない領域をカバーしています。
さらに、全国各地の災害復旧支援団体なども加わっています。2011年の東日本大震災で支援の取組を行ってきたNPOなどが加わることで、過去のノウハウや経験が取り組みに生かさてています。
復興に向けたネットワークに加わったせんだい・みやぎNPOセンター代表理事のの渡辺一馬さんは、当時多くの方々にささえられて取り組んだ経験を活かし貢献したいと参加を決めました。
「東北での経験から例えば、物資は確実に余るので無駄になることを恐れず、避難所にプッシュ型で送るなど被害の全体像が見えない時に必要だと伝えました。積極的に動きたい現地のみなさんの後押しができたと感じています。今後は公共との連携も重要になります。東日本大震災当時も、民間と公共が共に活動を行うことがいくつもありました。公共は公平生を重んじることから、仕組みがしっかり出来ないと展開できません。民間は自分たちが出来る部分からはじめることが出来るので、先行して支援のモデルが出来ることも多数ありました。炊き出しの際、ご飯を自衛隊が、おかずを民間企業が提供する、ということもありました。まずは民間のスピード感と、東日本大震災での経験を生かした取り組みをどんどんすすすめていきたいです。」
▼ビジネスマンのスキルやネットワークを生かした爆速の二次避難マッチング
珠洲市に本社機能の一部を置くアステナホールディングス(東証上場)社長の岩城慶太郎さんが中心なって「二次避難者受入/被災者宿泊 申し込みサイト」を開設し、奥能登地方からの二次避難を進めるためのマッチングの取り組みのスピード感も爆速です。「奥能登の5万人をいったん外へ」プロジェクトと銘打ち、全国からインターネットを介して集まるボランティアらと取り組んでいます。
余震も続き交通状況から早期の復旧は容易でない中、真冬のさなか、一次避難した体育館や公民館などに被災者が長くとどまることは現実的でないでしょう。既報のとおりコロナやインフルエンザの感染者が出始めたり、避難所での死亡事例も生まれています。
自宅の復旧や仮設住宅の準備が整うまでの間、「2次避難所」の整備や速やかな誘導が重要となっています。
岩城さんは、震災直後からSNSなどを通じて自ら情報収集を進め(自身の携帯電話の番号をバンバンと公開し、情報収集を猛烈なスピードで行ったのです)、孤立集落の状況や救援ニーズを行政機関や民間企業とやりとり。その中で私財の投入もふくめ、まずはと「私設避難先」として協力が得られた金沢市内などのホテルに自ら被災者をつなぎ、無料や格安で受け入れを申し出てくれた宿泊施設への二次避難をすすめてきました。
https://notoearthquake.hp.peraichi.com
こうした取り組みの延長線として「二次避難者受入/被災者宿泊 申し込みサイト」の開設につながっています。ホテルなどの宿泊施設以外の選択肢として、一軒家やアパートなどの空き家への二次避難をつなぐ取り組みです。
開設にあたっては、SNSを通じて集まった大手IT企業に勤務経験のあるプロフェッショナルや大学教員などがボランティアで参加。着想からわずか2日間で仕組みを構築し、受付可能な状態を組み上げて8日夕方にはサイトを開設する、という猛烈なスピード感でサービスリリースされました。
2次避難が落ち着けばその後は、より継続的な仮住まいも必要になる…との考えからさらに現在、不動産ポータルサイトを運営する大手企業と連絡をとり、被災者と公営住宅のマッチングサイトの構築にも取り組んでいる、といいます。
活用を呼びかける岩城氏は「ぜひ多くの被災者に活用してもらいたい。また二次避難場所として家を提供できる方の登録をお願いしたい。1)北陸3県内での一軒家・アパートなどの空き屋で、2)電気・ガス・水道が通っていて、すぐに住める状態にある、3)キッチン・トイレ・風呂などの設備と、最低限の家具・寝具がある、4)少なくとも1月末まで無償で貸し出せるといった条件だとありがたい」と語っています。
こうした中で浮かぶ「行政の取り組みに一本化したほうがよいのでうはないか?」という疑問について、防災に詳しい岐阜大学社会システム経営学環の高木朗義教授にぶつけてみました。
民間と行政の取り組みについて「近年の大規模災害発生時における被災者支援の状況を踏まえて、行政が専門的な能力を持つ関係者と連携する必要性が明らかとなり、災害ケースマネジメントと言う新しい仕組みが注目されています。行政も頑張っていますが、自治体職員も被災しており、行政だけでは対応が追い付かない事案が多くあります。避難生活が長期化しそうな状況の中、被災者一人ひとりに寄り添った支援が必要であり、行政と連携しながら民間によるこうした取り組みが先行していくことは重要なことです。」と教えていただきました。
もちろん行政でも取り組みも続々始まっています。石川県は昨日、金沢市に1.5次避難の拠点を設置。今月中旬から、輪島や珠洲などでも仮設住宅の建設を始めると表明しています。またさらに、みなし仮設の申込み受付を始めるなどの取り組みも始まりました。
行政だけではとてもカバーできないこうした状況だからこそ、民間が繋がり自発的に行う支援の取り組みにも期待したいと思います。筆者も21才でまちづくりNPOを創業し運営し、また東日本大震災など災害にはネットワークで支援の取り組みに関わってきました。ご紹介してきた事例のとおり、民間の取り組みは圧倒的なスピード感と、走りながら考え改善していくスタイルに特徴があります。
また、こうした取り組みの背景には、阪神淡路大震災を機に広がりを見せた市民活動や、東日本大震災での経験値が大きく繋がっていることんも着目したいと思います。
まだ、能登半島地震のその後を語るフェイスではありませんが、しかし民間での取り組みの蓄積やノウハウは、災害列島日本で今後起こるであろう災害の際にもさらに役立つ知見が大いに含まれているように思います。
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「やろまい!」って声をかける言い出しっぺでありたい
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秋元 祥治 /株式会社やろまい 代表取締役
・大手通信会社や全国新聞社など大企業の新規事業・オープンイノベーション支援
・地場産業企業、ソーシャルベンチャーなどへの出資・経営支援
・Yahoo!ニュース オーサー、ForbesOnline コラムニスト
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能登にボランティアに行きたい、と思ったあなたに伝えたい3つのこと
http://akimotoshoji.blog.jp/archives/51602443.html
1月1日に発生した令和6年能登半島地震のニュースに目を奪われ、心を痛めている方々がおおいことでしょう。被災地の当事者だけでなく、全国各地でも不安やざわざわした気持ちで、寝付けない人もいるのではないか(僕もです)とも思います。親族や友人などが被災し、心配が募る...
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2024-01-03T09:10:18+09:00
NPO/社会起業
なにかできることはないだろうか…と、いう気持ちを誰もが抱くのではないかと思います。私自身、2001年にNPOを立ち上げて運営してきましたが「いますぐにでも能登にボランティアに行きたい!」と思ったあなたに伝えたいことを3つにまとめました。
1.まずは寄付、多くても少なくても寄付
なにか被災地のために取り組みたい…という方には、まずはYahoo!ネット募金などでの募金をおすすめします。これからの復旧と生活再建には、お金がいるからです。
Yahoo!ネット募金 https://donation.yahoo.co.jp
READYFOR やCAMPFIREなどのクラウドファンディングサイトでも寄付を募っています。
募金を行う際に注目をしたいのは@「義援金」と寄付金」の違いです。義援金が「被災者一人ひとりに分配されるお金」であるのに対し、寄付は「被災地で支援する活動に役立てられるお金」だと考えてください。
特定の団体を対象にした支援金を出す場合、過去の活動実績や寄付金の利用実績などを公表している団体を選ぶとよいでしょう。
また、マッチングギフトといった仕組みを導入されているケースもあります。寄せられた寄付金額に対して企業・プラットフォーム側が一定比率の額を上乗せし、寄附金額を増やした上で寄附する上乗せ贈与する仕組みのことです。自身の寄付をより効果的にする上で、注目したい視点です。
一人ひとりの力は微力かもしれませんが、決して無力ではないと信じ額の多寡にこだわらず、できる範囲での寄付を行ってみてはどうでしょうか。
2.ボランティアや現地入りはもうちょっと待ってから
もちろんボランティアに行きたいと気持ちを募らせる方も少ないでしょう。しかし、ボランティアは発災直後に現地に行っても自衛隊や消防・警察の邪魔になるだけです。
救助率の大きな境目となる初動の72時間は、こうした専門家らの活動と復旧がまずは優先されなければなりません。だから、いますぐ駆けつけたいという気持ちはぐっとこらえて、まずできること=寄付を行うことが、できることなのです。
ボランティアセンターなど現地の受け入れ窓口が整備されるのを待って(災害発生後4,5日~1週間後がメド)現地に入るのが良いかと思います。ボランティアの募集は現在(1/3 朝現在)行っていませんが、今後石川県のボランティア募集サイトなどで募集開始後発信されるため、注視しましょう。
また、現地訪問時の宿泊や食事、軍手や動きやすい格好なども自身で手配することが大切です。また、余震や事故の可能性からも、ボランティア保険への加入は必須です。
ボランティアの受け入れが、被災地の負担になるような親切の押し付けは避けなければいけません。
政府広報オンラインに詳細がありますので、参照ください。
3.正確な情報収集を、公的機関や一次情報などから
震災直後から、真偽不明なSNS投稿が拡散されるなどの問題視されています。そして、これからより実態が明らかになり、社会活動が本格化すればするほどより多くの現地からの情報が溢れてくるでしょう。その時に大切なのは、公的機関などの信頼できるものなどを通じ、一次情報に触れながら情報収集するということです。
例えばYahoo!では「能登半島地震 最新情報まとめ」を開設しており、様々な情報を得ることができます。
石川県のWEBでは、災害対策本部の議事資料なども公開されており、実態の正確な把握に大いに役立つでしょう。また総務省消防庁のサイトなどでも被害状況の概況が把握できます。
トヨタ自動車が公開している「通れた道マップ」は、「T-Connect」搭載車両から収集した情報などをもとに、被災地域で車両が通行できる道を示す地図で、こちらもおおいに参考になるでしょう。
過去の東日本大震災を始めとした災害を振り返っても、復旧・復興の道のりはまだまだこれから。「いますぐにでも能登にボランティアに行きたい!」と思った人には、まずは一息入れてできることから気長にとりくみを重ねて行ってもらいたいと思います。
そして今後復旧が進めば、経済活動の本格化に向けての息の長い復興支援が始まります。中小企業などの経営再建や、観光の振興など。ネットショッピングを通じた買っての応援や食べての応援、また安心して訪れることが可能になれば、訪れて観光しての応援と、今すぐのボランティアでなくとも、この先できることがたくさんあります。
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「やろまい!」って声をかける言い出しっぺでありたい
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秋元 祥治 /株式会社やろまい 代表取締役
・大手通信会社や全国新聞社など大企業の新規事業・オープンイノベーション支援
・地場産業企業、ソーシャルベンチャーなどへの出資・経営支援
・Yahoo!ニュース オーサー、ForbesOnline コラムニスト
▼岡崎ビジネスサポートセンター・オカビズ チーフコーディネーター
@愛知県岡崎市 https://www.oka-biz.net
▼NPO法人G-net 理事(創業者)
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▼武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(EMC) 教授
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慶應義塾大学SFC研究所所員
内閣府 地域活性化伝道師
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※本ブログの内容は私個人の見解であり、所属団体を代表するものではありません。
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コロナで中止になった甲子園「あの夏を取り戻せ」の舞台裏は、学生たちの奮闘とEMCの哲学があった
http://akimotoshoji.blog.jp/archives/51601752.html
コロナ禍で中止となった2020年夏の甲子園。当時高校3年生だった球児による全国元高校球児野球大会2020-2023「あの夏を取り戻せ」が29日、阪神甲子園球場で行われています。
20年夏は新型コロナウィルスの感染拡大で甲子園大会が中止。各地方大会も中止となり、各都道府県で独...
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2023-11-29T16:12:10+09:00
雑感
20年夏は新型コロナウィルスの感染拡大で甲子園大会が中止。各地方大会も中止となり、各都道府県で独自大会を開催。当時の独自大会優勝校などを中心に全国から45校42チーム(約800人)が参加しました。
この企画の発起人が、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(EMC)3年生の大武優斗さん。EMCは、21年に開設された日本で初めての「起業家精神育成」に特化した学部です。1期生の大武さんは私の授業も履修したことのある教え子で、この企画は大武さんとともにEMCの学生たちがその中心を担っています。
2020年当時に東京・城西大城西高の野球部員だったが昨年、発起人としてゼロから大学生のボランティアなどによる「あの夏を取り戻せ実行委員会」を立ち上げ。総額7000万円にものぼる大会開催費用を、クラウドファンディングや企業の協賛を募り、とうとう実現にこぎつけたのです。会場費などをまかなうためのクラウドファンディングでは2700万円超が集まり、また、オープンハウスグループやANA、スカパーなどが予算面や広報・運営面などで支えてます。古田敦也さんや矢野燿大さん、荒木大輔さんもアンバサダーとして大会の盛り上げに一役買っています。
※実行委員会代表の大武優斗さん
大武くんの原体験は遡ること小学1年生。やはり高校球児だった父の影響から野球をはじめて、そこからは野球漬けの日々。城西高校ではセンターをポジションを守るも、現役球児当時は膝の怪我に悩まされていたんだとか。それでも痛み止めの注射を打ちながら、3年生の夏の甲子園をめざしていたなかでの、コロナ禍での中止だったのです。
最初に、この「あの夏」が心に浮かんだのは2022年夏のこと。7月上旬に、伊藤羊一学部長に、大学の廊下での立ち話でこんなことをしたいと言葉にしたのが最初だったと言います。その後、8月には友人たちと実行委員会を立ち上げ取り組みをスタート。
「失われた夏によって、心にぽっかり空いてしまった穴を埋め、あの夏を取り戻したい。そして、あの夏への思いにけじめを付けて、未来に歩み出したいんだ。そして、同じような思いをもつ球児のためにも実現したい」という気持ちから取り組みを始めた、と語ってくれました。
「失われた甲子園を、やりたい」というその一言を発し、一歩を踏み出す後押しになったのが、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部が最も大事にする「他人の夢を笑うな」という言葉だったと、大武さんは言います。
大きな目標であったとしても、一見難しく感じることも、夢をまずはえがくこと。そして、その夢を語らなければ実現することはできません。だからこそ、EMCでは、他人の夢を笑わないことを入学したときから、ことあるごとに繰り返し伝えられます。
※運営統括の小泉真俊さん
大武さんの思いに、学部の友人や後輩が続々と共鳴します。30名を超える運営メンバーを大武さんとともに、全般統括をするのは宇佐美和貴さんや小泉真俊さん。小泉さんは、当時を振り返ってこう語ります「自分自身も、高校球児として目指してたものがなくなって、当時呆然としたことを覚えていました。だからこそ大武さんの思いに共感し、一緒に実現したいと思いました」と。
※運営統括の宇佐美和貴さん
当時その話を聞いた、伊藤学部長はこう語ります。「僕は、いいじゃん!としか言わなかったですよ。ただその時、僕は彼の言葉からこの日、こうなるとイメージができたから、これは彼の天命だよなぁ、とその時、感じました。今日は、元球児一人一人、そしてそれを応援する方ひとりひとりの甲子園になったと思うのです。教え子の大武さんは仲間たちと一緒に、その笑顔を生み出したんだなぁ!と誇らしい気分です。」と。
学部長補佐の津吹達也教授も当時を振り返ってこう語ります。「彼が授業の中で、あの甲子園の復活をとにかくやりたいんだと言ったとき、周りの学生がは途方もなさすぎてみんな最初キョトンとしてたんです。あっけにとたれたというか。でも学部で、他人の夢を笑わないって言ってきたのは本当にそうで、なんかそれできないよとかって言うやつは誰もいなかったんですよ。そしてそこから大武さんの本気の挑戦が始まりました」
こうした中で、友人たちへの協力の輪が広がるだけでなく、EMCの教員たちも周囲に協力者を求めたり、情報拡散への協力などできることを行っていきます。教員の縁から大武さんと会い、今回スペシャルナビゲーターとして協賛を決めたオープンハウスグループ広報担当は「うちの社訓には、やる気のある若い人を応援するというものがある。今回の取り組みを大武さんから伺い、やる気のある若い人、そしてあの夏の球児を応援したいと考え、会社として、荒井正昭社長個人としても協賛しました」とのことでした。
当日の運営を担うスタッフ約100名のおおよそ半数は大武さんらとおなじEMCの学生たち。もちろんボランティアで、自分たちで費用を出し合い夜行バスを1台チャーターし、昨晩大学を出発してやってきた。そして、また今晩夜行バスで戻っていくといいます。
※28日夜にボランティア学生を乗せて大学を出発するバス
また、会場を盛り上げるブラスバンドも学期経験のある大学生たちが口コミで集まり、ボランティアでチームを結成して取り組んでいるといいます。
甲子園の現場では、球児たちが思い思いに甲子園を楽しむ笑顔がそこかしこに見られました。また、ご両親が涙ぐみながらお子さんの写真を一緒に取る姿も、何度も目にしました。
多くの人々の協力を経て、全国の「あの夏の高校球児」が集まり、そして多くの笑顔や感動が生まれた今日の甲子園。この「あの夏」の裏側には、思いを言葉にした1人の大学生と、そしてそれを支える多くの仲間たち。その根底には「他人の夢を笑うな」という、EMCのメッセージが流れているように感じました。
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「やろまい!」って声をかける言い出しっぺでありたい
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・地場産業企業、ソーシャルベンチャーなどへの出資・経営支援
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@愛知県岡崎市 https://www.oka-biz.net
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@岐阜県岐阜市 https://www.gifist.net
▼武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(EMC) 教授
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秋元祥治・公式サイトの完成
http://akimotoshoji.blog.jp/archives/51600468.html
秋元祥治・公式サイトをつくりました!
取り組みをご紹介したり、お問合せに対応するために。
また、セミナーや講演、そしてテレビなどのコメンテーターなどご依頼もぜひ。
イメージカラーは、ガッツリ赤です。
http://www.akimoto.tv
稲波 伸行 さんに素敵なデザインを...
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2023-09-28T22:59:13+09:00
秋元祥治・公式サイトをつくりました!
取り組みをご紹介したり、お問合せに対応するために。
また、セミナーや講演、そしてテレビなどのコメンテーターなどご依頼もぜひ。
イメージカラーは、ガッツリ赤です。
http://www.akimoto.tv
稲波 伸行 さんに素敵なデザインを、武藤 健二 さんにかっこよいお写真を、そして武田 真奈美 さんにはアシストをいただきました。
ありがとうございます
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頑張れ!ブレイブブロッサム!! 板橋区の老舗パン屋が実物大のラグビーパンと共に応援
http://akimotoshoji.blog.jp/archives/51600467.html
2023年はスポーツの年と言っても良いかもしれません。WBCでは侍ジャパンが世界一を奪還し、世界フィギア選手権・サッカーアジアカップにFIFA女子ワールドカップ、日本中が歓喜したバスケワールドカップなど。
そして、今注目はラグビー日本代表です。2019年のラグビー...
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2023-09-28T22:20:40+09:00
中小企業・創業支援
そして、今注目はラグビー日本代表です。2019年のラグビーワールドカップ日本大会でのジャイアントキリングは「にわか」ファンを一気に増やし、大いに盛り上がりました。
本年度、板橋区の依頼をいただき中小企業向けのセミナーを担当させていただいたのですが、そこで出会った街の老舗パン屋「のぐちやBakery」さん(東京都板橋区赤塚5-1-1)が、このラグビーワールドカップのビッグウエーブを捉え「乗っかった」商品を開発し販売したところ好評とのことで、お話をお伺いしました。
実物大のラグビーボールパンを開発
直径約30cmの実寸大「ラグビーボールパン」の第一印象は「でかい!!」の一言。
店頭で販売しているコッペパン生地の約5倍の質量ということもあり、店内でも異質ともいえるインパクトが印象的です。
※ラグビーボールと一緒に並んでいるため、実寸大だとよく分かる
写真の通り、楕円系のラグビーボールの横を半分に割った形で、昔懐かしいラグビーボールの縫い目にそって砂糖がまぶしてあります。中にはなにも入っていませんが、実際に持った感触も重くとても一人で食べるには大きすぎるので、店主曰く「家族や友人、恋人などと応援しながらつまんでほしい」とのこと。
お店にはラグビーボールも置いてあるため、実物大ということが人目を集め、販売を開始してから売れ行きは順調とのことです。
気になるお味は、小麦の香ばしい香りとバターの芳醇さが印象的で、飽きのこないシンプルな味わいで、好評だと言います。
なぜラグビーパンを?誕生秘話を訪ねてみた
「なにかインパクトのあることがしたくてノリで作ってしまいました」
そう語るのは、4代目の松戸淳哉さん。そもそものぐちやBakeryは昭和2年に板橋の地にお店を構え、創業95年となります。板橋区赤塚で、地域で愛されるパン屋さんです。
はじめは店の前でお酒を出すような立ち飲み屋さんから始まったとのこと。その後時代の流れに沿ってその形は変化し、金物やはがき・切手、雑貨や食品などを売る現代のコンビニエンスストアのような業態を経て、昭和55年に現在のパン屋さんとなりました。
※飽きのこない、普段遣いに重宝する焼き立てのパン
このラグビーパンを作ったきっかけは、ずばり4代目がスポーツ観戦が大好きだったから。
2019年のワールドカップでラグビーの面白さに改めて気づかされ、今回のワールドカップを観戦している中で、パン職人としてなにか面白いことができないかと考えたとのこと。日本戦の初戦を見て、ラグビーボール実寸大の楕円系のパンを作ることを思いついたといいます。
当初、やきそばパンを3倍の大きさで作り、ラグビーボールにしようとしましたが、本来の味のバランスが崩れるため断念。シンプルに中身を濃厚な北海道産のバターで包み、こんがり焼き上げたところこれが美味しく、形も安定するということで、着想からたった3日ですぐに商品化するというスピード感には脱帽です。
※ラグビーボールパンを焼く風景
スポーツの秋を迎え、ラグビーワールドカップへの観戦熱は高まっています。そうしたトレンドを捉えた観戦のお供になる商品として市場投入されたのが、今回のラグビーボールパン。こうして市場のトレンドを捉えたスピード感ある商品開発と販売の意思決定は、中小企業ならではの利点を生かした取り組みと言えるでしょう。
実際発売をSNSで告知したところ、ラグビーファンがこのパンを目的に来客するなど、手応えも感じているそうです。
「当初、ラグビーファンに喜んでもらいたいし、インパクトもあるはず!と商品開発を行いました。ただ、味の追求は勿論のこと こうした取り組みを通じて“のぐちやBakeryは様々なことにチャレンジするぞ”という姿勢も伝えられれば」と4代目の淳哉さんは話をしてくれました。
※ラグビーボールパンについて説明する松戸淳哉さん
昨今物価上昇に伴う原材料費の高騰が加速しており、町のパン屋が次々と店を閉めている現状の中、その逆境を楽しむかのように巨大パンをワンコインで提供するのぐちやBakery。新しい世代が世の中のニーズに合わせた取り組みで、ラグビー日本代表とともに、ぜひトライを量産してほしいものです。
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「やろまい!」って声をかける言い出しっぺでありたい
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秋元 祥治 /株式会社やろまい 代表取締役
・大手通信会社や全国新聞社など大企業の新規事業・オープンイノベーション支援
・地場産業企業、ソーシャルベンチャーなどへの出資・経営支援
・Yahoo!ニュース オーサー、ForbesOnline コラムニスト
▼岡崎ビジネスサポートセンター・オカビズ チーフコーディネーター
@愛知県岡崎市 https://www.oka-biz.net
▼NPO法人G-net 理事(創業者)
@岐阜県岐阜市 https://www.gifist.net
▼武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(EMC) 教授
@東京都西東京市 https://emc.musashino-u.ac.jp
慶應義塾大学SFC研究所所員
内閣府 地域活性化伝道師
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著作「20代に伝えたい50のこと」(ダイヤモンド社) http://amzn.asia/1AE0eGY
ツイッター: akimoto_gifu Facebook: 秋元祥治
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※本ブログの内容は私個人の見解であり、所属団体を代表するものではありません。
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日常の当たり前が宝の山となる、ローカルラグジュアリーという地域振興のキーワード
http://akimotoshoji.blog.jp/archives/51599470.html
1年ほど前にお声掛けをいただき視察に伺った京都府与謝野町に、改めて有識者を招く視察ツアーをまた実施するので、と再度訪問する機会を得ました。京都駅から車で1時間半弱、決して好立地とは言えませんが、ついまた訪ねたいと思う素敵な土地です。今回も、山添藤真・与謝野...
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2023-08-09T00:05:34+09:00
与謝野町と切っても切り離せない丹後ちりめんの技術を、現代のライフスタイルに合わせて展開し、支持を集めているクスカ株式会社の工房を訪れました。クスカは1936年創業で、初代楠嘉一郎からつづくちりめん製造販売業。創始者の名前の頭文字から、現在はクスカという社名になったといいます。
楠泰彦社長は、丹後ちりめんは産地で、最盛期には年間で地球4周半分、1000万反もの生産量があったと言います。しかし和服から洋服を中心としたライフスタイルの変化の中で、現在では年間15万反…1.5%にまで生産量は大幅に縮小したとのこと。経営的にも困難な局面を迎えた中、2008年に社長に就任した楠泰彦さんは、大量生産に適しそれまで工場で行っていた機械織機を全廃し、生産効率は悪いが唯一無二の質感を生み出すことができる手織り織機を導入します。
機械織では生み出すことのできない豊かな表情が支持され、現在ではデパートなどでも取り扱われ、帝国ホテル内にショップ出店をするなど順調に事業に取り組んでいます。
300年を超える丹後ちりめんの歴史と伝統を、市場トレンドやファッション性とかけ合わせることでビジネスとして成立させています。実際に今回は工房を訪問し、織機や織物に触れる機会を持ったことで愛着や思い入れへと繋がりました。
続いて訪れたのは、京都丹後鉄道宮豊線与謝野駅前に出来たブルーワリーに併設された店舗・PUBLIC HOUSE TANGOYA。1年前にはなにもなかった更地の場所に、店舗が誕生しました。店長の野村京平さんに今秋以降稼働予定のブルワリーも案内してもらい、自慢のクラフトビール「ASOBI」を頂きました。
与謝野町は、まちぐるみでホップ生産に取り組んでいます。高い価値提供ができる農作物の栽培と6次産業化に取り組んでいく必要があると考えていた地元農家の呼びかけをきっかけに、2015年4月にホップ定植をスタート。全国的にも希少なホップの栽培に取り組みながら、クラフトビール産業の創出をめざし、農業振興のひとつとして支援を開始する(2015年4月に初めてホップを定植)。収量は5年で10倍以上になり、2019年には、Iターンした若者たちによるろ株式会社ローカルフラッグが、ビール醸造を始めたのです。
店長を務める野村さんは東京で大手企業勤務を経てIターン。その野村さんが大学進学のため地元を離れる前、居酒屋で隣同士になった(野村さんはお父さんとふたりで)のが最初の出会いだと山添町長は振り返ります。その際に、「いつか与謝野町に戻ることを考えている」と語る野村少年(当時)と意気投合し、そのときには与謝野町で一緒にお酒を酌み交わそうと約束したといいます。次に出会ったのは、野村さんの成人式。山添町長のお祝いの言葉に対し、野村さんが新成人代表の謝辞を述べ、そして時は過ぎ、Iターンを経ていまでは一緒に与謝野町を活性化しようとタッグを組んでいるのも、また素敵なご縁です。
そして夕方になり「与謝野町のホップ畑を案内します」と山添さんに言われ、ドレスコードは白色でと指定をされ着替えて移動。車で案内していただくとホップ畑には素敵な仕掛けが。
圃場に、テーブルと椅子がセットされ、ホップに囲まれた中でアペロ(食前酒とおつまみの簡単なパーティー)をたのしむことができる、という粋な仕掛けが。
その土地で取れたものを、その土地を愛する人達が丹精込めて加工して美味しいビールを作り上げ、そしてゆっくりと味わい、語らう時間。
なんと豊かな、ことでしょう。
ラグジュアリーとは、贅沢で豪華なものを意味してきました。
単に贅沢や高価であるということではなく、その土地でなければ味わえない貴重で豊かな体験や時間を過ごすことができることを「ローカルラグジュアリー」と定義したいと私は思います。
前回の訪問時にも寄稿しましたが、地域の方々が誇りとともに育んでいる文化的あるいは経済的な営みにこそ、ローカルラグジュアリーとしての価値を見出しうると思います。
政府はこれから産業の柱の一つとして観光誘客を掲げます。コロナ禍が明け、インバウンドも急激に戻りつつあります。しかしその実、外国人観光客の宿泊地を見ると、全体の65%が東京、大阪、京都、北海道、沖縄に集中しています。しかも観光地の上位10位までで80%を占めているといるという現実。そして、2週間以上の滞在も珍しくない欧米の観光客や富裕層は通り一遍な観光地巡りではなく、「本当の日本の魅力」を求めていると言います。
まさに、歴史や文化に根ざし、その土地でなければ味わえない唯一無二を体感できローカルラグジュアリーこそが、これから求められる地域振興のキーワードだと思うのです。
土地の風土、歴史、産業や記憶、そして人。
丹後ちりめんの歴史が今に息づくクスカの工房の現場を体感し、
新たに取り組むホップ畑や、若者の挑戦から生まれたブルワリー。
そして、ジビエなど地のものを生かした食と酒。
まさにローカルラグジュアリーです。
星野リゾートが経営するリゾナーレ那須では「アグリツーリズモリゾート」という取り組みが。広大な敷地内に田畑を所有し、さまざまな自然体験ができるプログラムが人気を集めています。奥入瀬渓谷ホテルでは、苔に注目した体験宿泊プログラムが人気を集めています。「日本の貴重なコケの森」に選定されている奥入瀬渓流には、日本で約1800種類ある苔のうち約300種の苔が生息しているそう。
徳島県にある、アレックス・カー氏監修の古民家宿「桃源郷祖谷の山里」は、秘境・祖谷に滞在し、生活設備はすべて整った古民家を1棟貸し切りで宿泊するスタイルで、海外の人たちにも人気です。
「茶の間」は、静岡県内7箇所の茶畑に設置されている完全予約制のプライベートティーテラス。 その土地のお茶を飲みながら、大切な恋人と気の合う仲間とじっくりと語り合えると、1人90分3980円にもかかわらず、人気を博しています。
ローカルラグジュアリー
単に贅沢や高価であるということではなく、その土地でなければ味わえない貴重で豊かな体験や時間を過ごすことが、今回の与謝野町の滞在でも実感することができました。
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全く売れなかった”赤い粉”が、真夏にバカ売れ 子ども向け◯◯◯で、ロングセラーに
http://akimotoshoji.blog.jp/archives/51599423.html
夏休みといえば、プールや花火大会など楽しいイベントが目白押し。しかし忘れてはならないのが、学校から出される宿題の数々です。中でも自由研究は手間がかかる分、毎年のように親子で頭を悩ませているご家庭も多いのではないでしょうか。そんな夏休みあるあるに着目し、...
e98h0045
2023-08-08T07:30:49+09:00
中小企業・創業支援
染料を使った新しいビジネスを模索
昭和23年、愛知県一色町(現 西尾市)で、業務用薬品を取り扱う卸売り業者として創業したトリイ株式会社。愛知県は古くから繊維業が盛んということで、染料をはじめ、工場で使う化学薬品、漁業に必要な消毒液などを長年に渡って企業に卸してきました。しかしバブル崩壊やリーマンショックの影響から売上が減少。苦しい現状をなんとか打開したいと、オカビズへ相談にお越しになり、初めてお会いしました。
相談に来訪するトリイ(2021年・オカビズ撮影)
当初、トリイ株式会社が考えていたのは、染料をお花屋さんに売れないかということでした。赤い染料を溶いた水に白いバラを生けておくと、茎が水を吸い上げて1~2時間で赤いバラに変化する。この仕組みを利用して何か面白いビジネスができないかと考えたのです。しかし今は青いバラさえ存在する時代。色が変わるだけでは驚きに欠け、そもそもはじめから赤いバラを売れば良いのでは?という話になり、10軒以上も営業をかけたそうですが、まったく相手にされなかったといいます。
ターゲットを的確に絞り、使い道までしっかり提案
物を売るには、商品の特徴を捉えた上で、ニーズにマッチングさせることがポイントです。
より具体的に考えるならば、ターゲットや利用シーンを明確にすることが大切なのです。反応が良くなかったということは、この2つに問題がありそうだということ。
まずはその辺りから見直してみることにしました。私がバラの話を聞いて思い出したのが、小学校で受けた理科の授業。
水が植物の道管や葉脈を通って、やがて蒸散するのを学ぶため、確か色水を使っていたことを思い出したのです。そして、これはもしかしたら自由研究で使えるかもしれないとひらめきました。
毎年夏休みが近づくと、本屋さんには決まって自由研究キットがずらりと並び、研究テーマをお探しの親子がこぞって買い求めていきます。この光景にこそ需要があるに違いないと信じ、ターゲットは「小学生」、利用シーンは「夏休みの自由研究」にしてみることを提案。
さっそく実際の小学校高学年向けテキストを参考に、自由研究キットの生産にとりかかってもらいました。キットには、植物を染めて茎や葉脈などの実態を確かめるのに必要な染料を封入。また、観察まとめノートや書き方まで添えることで、自由研究として提出しやすいよう工夫しました。
手作り感たっぷりの「1日でできる自由研究 植物の染色観察キット」
こうして生まれたのが、「1日でできる切り花染色実験キット」です。これまで小売りは未経験、ノウハウにも投資余力にも限りがあるということで、出店費用がかからないYahoo!ショッピングでオンライン販売してみたところ、狙い通り大反響。新しいビジネスが成功した瞬間でした。
地方の小さな会社でも、大手企業とだって取引できる
ネットショップで好評を博し、夏のあいだ売りに売れた自由研究キット。その様子を密かにチェックしていた企業がありました。おもしろい企画なのでぜひ商品化したいと声がかかって大量受注が決まり、商品化したのは大手出版社、学研です。
およそ10人の従業員で手作りしていた自由研究キットは、一気に全国で大々的に売り出されることが決定。販売からわずか1年で、約1万キットを売り上げるヒット商品となりました。
学研 WEBサイトより https://www.gakken.jp/science/mag_kagaku/kg_presents/16_rainbow/
2年目は、手作り感たっぷりだったパッケージをもう少しお洒落に作り込んで販売してみることに。するとアマゾンの売り上げランキングで1位を獲得。
さらに東急ハンズからもオファーがかかって、新宿や博多など全国各地の売り場に置いてもらえるようになりました。
東急ハンズ新宿店に並ぶ商品(トリイ提供)
売り上げは前期からなんと120%アップ。販売スタートから10年近く経つ今でも、夏の定番商品として売れ続けています。
他社にない着眼点で活路を開く
水に溶ける染料というのは、特に珍しいものではありません。どこの問屋でも扱っているありきたりな材料です。もともと卸売り業者であるトリイ株式会社にとっても、染料は10キロ単位で大量に安く卸しているものでした。自由研究キットに使われる染料は3色でもほんの数グラムなので、かかる経費はごくわずか。1,500円で売れればものすごい利益を生み出します。どこにでもある材料でも、他の企業が気づかなかった点に注目したことで、これまでになかった使い道が見つかり、新たな顧客を生み出すことができました。ネットショップで積極的に情報を発信することで、学研の目に留まって大量受注につながり、アマゾンや東急ハンズなど新しい販路を開拓することもできました。地方の小さな企業でも、ひらめきと工夫でビジネスの流れを変えることができるのです。
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「やろまい!」って声をかける言い出しっぺでありたい
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秋元 祥治 /株式会社やろまい 代表取締役
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・Yahoo!ニュース オーサー、ForbesOnline コラムニスト
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慶應義塾大学SFC研究所所員
内閣府 地域活性化伝道師
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※本ブログの内容は私個人の見解であり、所属団体を代表するものではありません。
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廃業相談から売上はV字回復へ!70代姉妹写真館の起死回生の一手
http://akimotoshoji.blog.jp/archives/51598284.html
苦境に立たされる街の写真館
「家族の節目の行事など、大切な思い出をカタチに残すならやっぱり街の写真館」というのはもう昔のこと。デジタルカメラの普及やスマホカメラの高画質化などで、誰でも手軽にそれなりの写真が撮れるようになったことで、昔ながらの写真館は苦...
e98h0045
2023-08-06T17:36:27+09:00
中小企業・創業支援
苦境に立たされる街の写真館
「家族の節目の行事など、大切な思い出をカタチに残すならやっぱり街の写真館」というのはもう昔のこと。デジタルカメラの普及やスマホカメラの高画質化などで、誰でも手軽にそれなりの写真が撮れるようになったことで、昔ながらの写真館は苦しい経営環境に追い込まれています。
70代の姉妹カメラマンが切り盛りする有限会社ホタルヤも、一時は廃業を考えるほど業績が悪化した写真館でした。しかし、岡崎ビジネスサポートセンター(通称オカビズ)の提案を受け、思い切ってターゲットを変えてみたことで、遠方からも撮影依頼が舞い込む人気店として復活。歳を重ねた2人だからこそできた新たな挑戦をピックアップします。
顧客との広がる年齢差に苦心
有限会社ホタルヤは、愛知県岡崎市に店を構える街の写真館です。創業は昭和26年。初代のお父様の意志を継ぐため、長女・大須賀予偲子(よしこ)さんは高校卒業後の昭和36年に同社へ入社。その数年後には次女・宏子(ひろこ)さんも社員となり、以来50年以上に渡って姉妹でカメラマンを続けてきました。しかし、街の写真館をとりまく環境が変わったことで、次第に売り上げが減少。2人が初めてオカビズへお見えになったのは、今からおよそ6年前。
予偲子さん78歳、宏子さん72歳の時。この時点ではすでに経営改善の相談を超えて、もう廃業したいからその手続き方法を教えてほしいと言うほどに追い込まれていました。
相談に訪れた大須賀さん姉妹
写真館で記念撮影するタイミングは主に3つ。我が子の誕生を神様に報告し、健やかな成長を祈願するお宮参りと、七五三、成人式の前撮りです。お宮参りや七五三の撮影を検討する親御さんはだいたい20代~30代、成人式の前撮りでも40代~50代と、自分たちよりもずっと若い世代です。バンバン広告を出しているような大手フランチャイズチェーンのフォトスタジオへ行けば、若いカメラマンがお手頃価格で撮影してくれます。そうした状況で、70代の高齢カメラマンにわざわざ撮影してほしいと考える親御さんはいない、というのが本人たちの弁でした。。
なんと女流カメラマンの旗手だった
撮影から補正、ホームページの管理まで自分たちでこなせるほどまだまだ元気だし、写真も大好きだし、腕も衰えてはいないけれど、需要がないから仕方ないと廃業を検討していた大須賀さん姉妹。もう少しお話を聞かせてもらうと、実は2人とも凄腕だということが分かってきました。
妹の宏子さんは今から50年以上前、東京工芸大学写真学科を卒業した才媛。戦後間もない時代に、女性で写真の道を志し、東京の大学で学んだ経験のある人は希少でしょう。いわば、三河地域の女流カメラマンの草分けともいえる人物でした。
一方、姉の予偲子さんは家業を継ぐため大学にこそ行かなかったものの、お父様の下で腕を磨き、高い撮影技術を習得。戦後を代表するカメラマンの1人である秋山庄太郎氏をはじめ、藤井秀樹氏、水越武氏ら著名作家と合同写真展を開催するなど、華々しい経歴をお持ちでした。また、50年を超えるキャリアの中で撮影した人物は数万人。その中には歴代の岡崎信用金庫の理事長や商工会議所の会頭など、地域の大物も複数含まれていたのです。有限会社ホタルヤがあるのは岡崎市の中心部から離れた郊外。決して好立地とはいえない個人経営の写真館でありながら、それだけ大きな仕事を長年任せられてきたのは、ハイレベルな撮影技術に裏打ちされた確かな信頼があるからにほかなりません。これほどの実力があれば、まだまだ再起は可能だとオカビズは直感しました。
高齢であることを逆手にとった新ビジネス
ここまでのお話を聞いて腕は確かだということは分かったものの、お宮参りや七五三、成人式の前撮りではオファーがないのも事実。では、70代のカメラマンに撮影してもらいたいのは一体どんな人なのか。そう考えた時にオカビズが思い至ったのが、同世代のお年寄りでした。
昨今、「終活」という言葉に代表されるように、自分らしい葬儀を望む人は着実に増えています。「終活」ではエンディングノートを活用して、自分の葬儀や墓石などをどうするのか決めていきます。その一環として、遺影の生前撮影を行ってはどうかと考えたのです。というのも従来の遺影といえば、亡くなった後に遺族がバタバタと手配することが多く、本人の意志があまり反映されていなかったり、画質が悪いことも珍しくなかったから。過去に町内会で行ったバス旅行などの写真を引っ張り出してきて、良さそうな表情のものを引き延ばして遺影にしてみたけれど、これで本当に良かったのだろうか…と感じたことがある遺族もいるかもしれません。
少しでも若々しく元気なうちにプロカメラマンに撮影してもらって、お気に入りの1枚を遺影にしたい人は必ずいるはず。それも撮ってもらうなら、大手スタジオの若いカメラマンより、自分と同世代のカメラマンに寄り添ってもらいながら丁寧に撮影してもらえるほうが嬉しいはず。少々値が張ってもお願いしたい顧客はいるだろうと踏んで、60代~70代のアクティブシニア層をターゲットに「生前遺影撮影サービス」をスタートすることに。オカビズのITアドバイザーやデザインアドバイザーも加わり、ウェブ集客のためのホームページ告知やチラシの作成などをサポートしました。
新たにスタートした生前遺影撮影サービス
取材が殺到し、県外からも依頼が舞い込む人気店に
遺影の生前撮影サービスを始めて約1ヶ月。その後の状況を確認したいから一度オカビズまで来てもらえないかとお電話してみたところ、返事は、、、
「忙しすぎてとても行けない」
というものでした。なんとわずか1ヶ月で撮影依頼が殺到していたのです。いきさつを整理してみると、まず2人は出来上がったチラシを同窓会などで配布。すると友人たちから、せっかくならお願いしたいと声がかかりました。
そして瞬く間に口コミで評判が広まり、地元の中日新聞で取り上げられることに。記事では、70代の姉妹カメラマンが遺影の生前撮影をしてくれることだけでなく、2人の学歴や手がけてきた仕事の数々もクローズアップされており、これがより大きな反響を呼び込む一因となりました。
その後も東海テレビ、NHK、CBC、中京テレビ、名古屋テレビ、テレビ愛知などが夕方のニュースで特集。特にテレビ愛知ではニュースとは別に30分のドキュメンタリー番組も放送されるほどで、注目度の高いトピックとして扱われました。
テレビ愛知での特集番組を紹介するサイト
こうした結果、地元・岡崎市のみならず愛知県全域、さらには静岡県や三重県など県外からもお客さんがやってくる大人気写真館となったのです。新規事業の立ち上げにかかった費用はごくわずかだったのに対し、得られた効果は期待以上のものでした。
積み重ねてきた研鑽を正しく生かす
有限会社ホタルヤがビジネスチャンスをものにできたのには、2つの理由があります。まずは何と言っても、輝かしい経歴をきちんと見えるようにした点。戦後間もない時代に、女性でありながら東京工芸大学で写真を学んだこと。名だたるカメラマンと写真展を開いてきたこと。地元の名士を長年撮影してきたこと。
実はこれらの情報は、オカビズに相談に来るまで一切宣伝に使われていませんでした。なぜなら本人たちからしてみれば、当たり前のことになり過ぎていて、わざわざ言うほどの情報だと思っていなかったから。第三者であるオカビズが情報を引き出し、その価値に注目してしっかり見える化したことで、中日新聞でも学歴や経歴が紹介されることに繋がりました。
もう1つが、弱みを強みに変えたこと。顧客を安心へ導き、その人らしい魅力が光る遺影を撮影できるのは、相手の気持ちが理解できる同世代カメラマンだからこそ。当初、高齢であることは弱みだと思われていましたが、見方を変えることでそれこそが強みであることが証明されたのです。
最後に、有限会社ホタルヤは昨年惜しまれつつも廃業しました。姉の予偲子さんが亡くなったためです。報せは妹の宏子さんから手紙で届きました。そこには、世を去る直前まで現役のカメラマンとして活躍したこと。最初オカビズへ足を運んだ時には廃業を考えていたのに、ここまでやってこられて本当に幸せだったことが記されていました。
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▼岡崎ビジネスサポートセンター・オカビズ チーフコーディネーター
@愛知県岡崎市 https://www.oka-biz.net
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@岐阜県岐阜市 https://www.gifist.net
▼武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(EMC) 教授
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慶應義塾大学SFC研究所所員
内閣府 地域活性化伝道師
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どうする家康のうどん…お土産「家康公が愛したうどん」開発に図書館が!
http://akimotoshoji.blog.jp/archives/51598209.html
人気お土産の誕生秘話
みなさんはお土産を選ぶ際、何が購入の決め手となっていますか?お土産というのはその土地の魅力をぎゅっと凝縮したもの。ゆえに開発には、イートインメニューを考えるのとはまたひと味違った難しさがあります。
今回取り上げるのは、お土産づくりに...
e98h0045
2023-06-12T22:04:23+09:00
OKa-Biz(岡崎市・中小企業支援)
人気お土産の誕生秘話
みなさんはお土産を選ぶ際、何が購入の決め手となっていますか?お土産というのはその土地の魅力をぎゅっと凝縮したもの。ゆえに開発には、イートインメニューを考えるのとはまたひと味違った難しさがあります。
今回取り上げるのは、お土産づくりに挑戦した老舗うどん店の話です。新たな魅力を創出し、新商品開発のお手伝いをした岡崎ビジネスサポートセンター(通称オカビズ)が、お土産づくりの裏側をご紹介します。
うどんのイメージがない街でどうお土産に
行列が耐えない人気うどん店、大正庵釜春があるのは愛知県岡崎市。創業は明治時代中期。釜揚げうどんの元祖として知られ、特注の粉を用いて手打ちするもちもちの生麺が自慢です。また岡崎市名物、八丁味噌を使った味噌煮込みうどんも人気が高いほか、とうもろこしと溶き卵を餡に絡めたもろこしうどんも、テレビ番組「秘密のケンミンSHOW」などで取り上げられ話題を集めています。
うどん店としては順風満帆の経営を続けている大正庵釜春ですが、実はある悩みがあって太田専務がオカビズへおいでになりました。相談内容は、「うどんをお土産として売りたい」というもの。最初この話を聞いた時、正直難しいと思いました
。
・・・というのもこれまで岡崎市には、うどんのイメージがなかったからです。
香川県のさぬきうどん、群馬県の水沢うどん、長崎県の五島うどんのように、うどんがご当地グルメとして定着していれば話は早いですが、岡崎市で単にお土産として販売しても、なぜうどん?となってしまい、売り上げは伸び悩むことが予想されました。
岡崎市ですでに確立されている名物といえば、まず八丁味噌。岡崎城から西に八丁(約870m)行った地点で作られていたことが語源で、今でも「まるや」と「カクキュー」という2大企業が味噌づくりを継承しています。八丁味噌を使っての商品開発はすでに味噌煮込みうどんとして販売されています。では、どうすればうどんをお土産として売れるのか、頭を抱えました。
家康公のうどん好きを証明すべく図書館へ
滑り出しは順調、とは決して言えなかったうどんのお土産化計画。視点を変えて、今度は徳川家康公に注目してみることにしました。岡崎市といえば、徳川家康公生誕の地。これをうまく生かせないかと考えたのです。
そこでまずネットで情報収集してみたところ、なんと徳川家康公はうどんが好きだったという説を発見。これが事実なら朗報ですが、ネットの情報を何の疑問も持たずに鵜呑みにするのは危険です。なぜならば、複数のサイトで同じことが書かれていたとしても、元を辿れば1つのサイトから引用されていることが珍しくないから。また、情報というのは常に新しくなっていくものであり、時にネット上では正しさより流行っている情報のほうが重視されることもあるからです。
オカビズは情報の信憑性を確かめるため、図書館のビジネスレファレンスサービスを活用することを提案しました。ビジネスレファレンスサービスとは、図書館のデーターベースにアクセスして、ビジネスに必要な情報を無料で探し出してくれるサービスのこと。これまで発行された新聞や雑誌、全国の図書館に所蔵されている書籍、辞書、法律判例や医学に関する最新の情報まで、検索物は多岐に渡ります。
さっそく「徳川家康公のうどん好きを裏付ける資料を探してください」とお願いしたところ、狙い通り「駿府記」という書物がヒット!
「駿府記」は、徳川家康公が将軍職を退いた後、駿府(静岡県静岡市)で過ごした隠居生活の様子を記したもの。慶長16(1611)年8月から死の数ヶ月前である元和元年(1615)年12月までの動静が記録されていました。そこには、徳川家康公は真夏でも身体を冷やさないように生姜入りの熱々うどんを特別に用意させていたこと、消化が良いように麺は柔らかくして食していたことが、はっきり記されていたのです。
こうして確かな裏付けが取れたことで、徳川家康公が愛したうどんを再現し、お土産として売り出すことが決定。当時はまだ小麦粉の精製技術がなかったと想定し、全粒粉で麺を打ち、さらに生姜を練り込むという工夫を凝らしました。すると、完成度が高い商品のみを集めた「岡崎プレミアムみやげ品」に選定されたのを皮切りに、郵便局のカタログギフトにも掲載され、一気に日本中から注文が入る人気お土産として躍進。
さらに、今年から放送がスタートしたNHK大河ドラマ「どうする家康」の影響で、ますます注目度がアップ。テレビで全国放送されたことで、店頭にはいっそうお客様が増え、お土産も順調に売り上げを伸ばしています。
「その街らしさ」と「正確な情報」を大切に
お土産を開発する上で大切なポイントは、来た人がわざわざ買って帰りたいかどうかということ。歴史や文化など、その街ならではの特徴が現れているものを選びたいと思うのが普通なので、そこの理由をどう作るかが重要です。今回のケースだと、「徳川家康公生誕の地」という街の魅力を掘り起こしたことで、岡崎市らしいお土産を完成させることができました。
また、情報の真偽が分からないからといって簡単に諦めるのではなく、ビジネスレファレンスサービスで裏付けを取ったのも大事なポイントでした。
図書館というと本を借りる場所という印象が強く、仕事と結びつけて考えることはあまりないかもしれません。しかし膨大な量のデーターベースを保有し、しかもそれを無料で共有してくれるというのは、ビジネスシーンにおいて大きな助けとなります。ビジネスレファレンスサービスは大半の図書館で行われており、調べる際も司書の方がお手伝いしてくれてとても便利。1つの情報が思わぬチャンスをもたらすこともあるので、何か調べ物がある時は活用してみることをおすすめします。
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・地場産業企業、ソーシャルベンチャーなどへの出資・経営支援
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@岐阜県岐阜市 https://www.gifist.net
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