3月25日と26日の2日間、愛知県岡崎市の東岡崎駅隣接施設で、中学生3人によるポップアップ出店が行われます。販売されるのは、マンゴーシェイクとコーヒー、そしてハンドメイドアクセサリーです。いずれも彼女たち自身が企画し、準備してきた商品です。
私の長女うい(15歳)や、次女ここ(13歳)が中心となり、ハンドメイドアクセサリーを作るお友達とともに企画・出店します。単なる家族の話ではなく、教育や起業のあり方を考えるうえで示唆に富んだ実践だと考えます。
長女が手がけるマンゴーシェイクは、旅行先のフィリピン・セブ島で出会ったマンゴジュース美味しさが原点です。一方で、日本では気軽にマンゴージュースやシェイクを楽しめる機会がないから自分で作って売ってみたい、と言い出したのでした。現地で複数の店舗を飲み比べ試作を重ねて商品化、食品衛生責任者講習をうけ、2年前にポップアップで販売を行いました。価格は1杯500円。誰に、どのような価値を届けるのかを考えながら自分で設定したものです。

そして今回、もう一つの柱になるのがコーヒーです。こちらは次女が小学校4年生のときに自分でコーヒー豆を選び、ブレンドを考え、味をつくってきました。子どもなので自身はコーヒーを飲めない…だからこそ、コーヒー牛乳にして美味しいブレンドというコンセプトを自身で生み出し、焙煎工房の協力を得て商品化しました。

ただ与えられた商品を売るのではなく、自分で選び、自分で組み合わせ、自分の感覚で形にしたものを社会に出す。その意味で、ここにも起業家精神の重要な要素がすでに含まれています。
起業家精神というと、大きな事業を立ち上げることのように受け取られがちです。しかし本質はもっと手前にあります。自分なりの関心や違和感から出発し、それを誰かにとっての価値に変えてみることではないでしょうか。そして、原価はいくらなのか。価格設定は適切なのか。どうすれば価値が伝わるのか。こうした問いに向き合い、実際にお金をいただく。このプロセスは、教室の中だけではなかなか得ることができない、極めて実践的な学びです。
近年、探究学習やPBLの重要性が広く語られるようになりました。私が所属する武蔵野大学アントレプレナーシップ学部を皮切りに、この春からは京都産業大学でも新たにアントレプレナーシップ教育を担う学びの場が始まります。神山高専やFC今治高校など、社会全体として、正解を覚える力だけではなく、自ら問いを立て形にしていく力の必要性が認識され始めているのだと思います。
ただ、その一方で、これまでの探究学習やPBLの多くは、地域や企業から持ち込まれた課題について学校の中で考えるところまではできても、お膳立てをされたものにとどまり、踏み込めていない場合が少なくありません。もちろん、それ自体に価値はあります。しかし、どこかで「安全な学び」にとどまりやすいのも事実です。
それに対し自分で商品を考え、自分で価格を決め、自分で売る。そこには、売れなければ意味がないという厳しい現実があります。だからこそ、学びの質が一気に変わります。
学校の中で完結する探究から、社会の中で試される探究へ。その一歩を踏み出したとき、学びは急に生々しくなります。
先日、ドルトン東京学園の安居長敏校長と対談した際にも、この点について多くの示唆をいただきました。印象的だったのは、大人が正解を配りすぎないことの大切さです。子どもや若者を、未熟だから管理すべき存在として見るのではなく、自分で学び、自分で立ち上がっていく存在として信じること。これは起業家精神教育にもそのまま重なります。
私自身、中小企業支援の現場で日々感じているのは、「机上の計画」と「現場の実行」の間には大きな断絶があるということです。どれだけ立派な事業計画書を書いても、実際に顧客と向き合った瞬間に、想定通りにはいかないことがほとんどです。むしろ重要なのは、そのズレをどう捉え、次にどう活かすかです。
これまでの学校教育では、失敗しないことが重視されがちでした。けれど本当に必要なのは、失敗しないことではなく、失敗してももう一度立ち上がれることではないでしょうか。最近では、単に試して失敗するという意味でのトライアンドエラーだけでなく、エラーから学び、次へ進むという意味で、エラーアンドラーンという考え方も注目されています。うまくいかなかったこと自体に意味があるのではありません。その失敗をどう捉え直し、次の一手につなげるかが大事なのです。

ポップアップのような小さな実践は、そのための絶好の機会です。うまくいくこともあるでしょうし、思ったように売れないこともあるでしょう。しかし、むしろそのズレこそが学びになります。なぜ売れたのか。なぜ売れなかったのか。どこに仮説との違いがあったのか。それを自分の言葉で振り返り、次に活かす。このプロセスこそが、起業家精神の核心にあると私は思います。
今回の取り組みは、たった2日間の小さな商いです。しかし、その中には、これからの教育に必要な要素が凝縮されています。自分で問いを立てること。自分で決めること。自分でやってみること。そして結果から学ぶことです。
「うちの娘が店を出します」。この一言で終わらせてしまえば、単なる個人的な出来事です。しかし、その背景にある構造や意味に目を向ければ、そこには教育の未来を考えるヒントがあります。探究学習やPBLが次の段階へ進むためにも、こうした実践の場はこれからますます重要になっていくはずです。
私の長女うい(15歳)や、次女ここ(13歳)が中心となり、ハンドメイドアクセサリーを作るお友達とともに企画・出店します。単なる家族の話ではなく、教育や起業のあり方を考えるうえで示唆に富んだ実践だと考えます。
長女が手がけるマンゴーシェイクは、旅行先のフィリピン・セブ島で出会ったマンゴジュース美味しさが原点です。一方で、日本では気軽にマンゴージュースやシェイクを楽しめる機会がないから自分で作って売ってみたい、と言い出したのでした。現地で複数の店舗を飲み比べ試作を重ねて商品化、食品衛生責任者講習をうけ、2年前にポップアップで販売を行いました。価格は1杯500円。誰に、どのような価値を届けるのかを考えながら自分で設定したものです。

そして今回、もう一つの柱になるのがコーヒーです。こちらは次女が小学校4年生のときに自分でコーヒー豆を選び、ブレンドを考え、味をつくってきました。子どもなので自身はコーヒーを飲めない…だからこそ、コーヒー牛乳にして美味しいブレンドというコンセプトを自身で生み出し、焙煎工房の協力を得て商品化しました。

ただ与えられた商品を売るのではなく、自分で選び、自分で組み合わせ、自分の感覚で形にしたものを社会に出す。その意味で、ここにも起業家精神の重要な要素がすでに含まれています。
起業家精神というと、大きな事業を立ち上げることのように受け取られがちです。しかし本質はもっと手前にあります。自分なりの関心や違和感から出発し、それを誰かにとっての価値に変えてみることではないでしょうか。そして、原価はいくらなのか。価格設定は適切なのか。どうすれば価値が伝わるのか。こうした問いに向き合い、実際にお金をいただく。このプロセスは、教室の中だけではなかなか得ることができない、極めて実践的な学びです。
近年、探究学習やPBLの重要性が広く語られるようになりました。私が所属する武蔵野大学アントレプレナーシップ学部を皮切りに、この春からは京都産業大学でも新たにアントレプレナーシップ教育を担う学びの場が始まります。神山高専やFC今治高校など、社会全体として、正解を覚える力だけではなく、自ら問いを立て形にしていく力の必要性が認識され始めているのだと思います。
ただ、その一方で、これまでの探究学習やPBLの多くは、地域や企業から持ち込まれた課題について学校の中で考えるところまではできても、お膳立てをされたものにとどまり、踏み込めていない場合が少なくありません。もちろん、それ自体に価値はあります。しかし、どこかで「安全な学び」にとどまりやすいのも事実です。
それに対し自分で商品を考え、自分で価格を決め、自分で売る。そこには、売れなければ意味がないという厳しい現実があります。だからこそ、学びの質が一気に変わります。
学校の中で完結する探究から、社会の中で試される探究へ。その一歩を踏み出したとき、学びは急に生々しくなります。
先日、ドルトン東京学園の安居長敏校長と対談した際にも、この点について多くの示唆をいただきました。印象的だったのは、大人が正解を配りすぎないことの大切さです。子どもや若者を、未熟だから管理すべき存在として見るのではなく、自分で学び、自分で立ち上がっていく存在として信じること。これは起業家精神教育にもそのまま重なります。
私自身、中小企業支援の現場で日々感じているのは、「机上の計画」と「現場の実行」の間には大きな断絶があるということです。どれだけ立派な事業計画書を書いても、実際に顧客と向き合った瞬間に、想定通りにはいかないことがほとんどです。むしろ重要なのは、そのズレをどう捉え、次にどう活かすかです。
これまでの学校教育では、失敗しないことが重視されがちでした。けれど本当に必要なのは、失敗しないことではなく、失敗してももう一度立ち上がれることではないでしょうか。最近では、単に試して失敗するという意味でのトライアンドエラーだけでなく、エラーから学び、次へ進むという意味で、エラーアンドラーンという考え方も注目されています。うまくいかなかったこと自体に意味があるのではありません。その失敗をどう捉え直し、次の一手につなげるかが大事なのです。

ポップアップのような小さな実践は、そのための絶好の機会です。うまくいくこともあるでしょうし、思ったように売れないこともあるでしょう。しかし、むしろそのズレこそが学びになります。なぜ売れたのか。なぜ売れなかったのか。どこに仮説との違いがあったのか。それを自分の言葉で振り返り、次に活かす。このプロセスこそが、起業家精神の核心にあると私は思います。
今回の取り組みは、たった2日間の小さな商いです。しかし、その中には、これからの教育に必要な要素が凝縮されています。自分で問いを立てること。自分で決めること。自分でやってみること。そして結果から学ぶことです。
「うちの娘が店を出します」。この一言で終わらせてしまえば、単なる個人的な出来事です。しかし、その背景にある構造や意味に目を向ければ、そこには教育の未来を考えるヒントがあります。探究学習やPBLが次の段階へ進むためにも、こうした実践の場はこれからますます重要になっていくはずです。
◎ポップアップ概要
日時 : 2026年3月25日(水)、26日(木) 各11:00〜17:00
場所 : 東岡崎駅SWING MALL 3階
TODOKERU Coffee&Beer(愛知県岡崎市美合町つむぎ南1番1)
詳細Instagram: https://www.instagram.com/20260325.26okazaki/
